小出町産業立地を促進するための町税の特例に関する条例についての反対討論

                  2004.10.4


 私は、小出町産業立地を促進するための町税の特例に関する条例の制定についての議案第86号について、日本共産党を代表して討論を行います。

 2000人の新規雇用が期待できると言われる大型企業が、小出町への進出を検討しているということでありますが、このように雇用情勢がきびしい中で、この地域で大きな雇用が新しく生まれることは、もちろん大いに歓迎すべきことであります。町がこの企業の誘致実現のために積極的な努力をはらうことは当然であり、われわれはこれを支持いたします。
 しかし、町長提案の、誘致企業を対象とする破格の町税減免措置および関連する優遇措置については、以下の理由により、反対するものであります。

 理由の第一は、わが小出町においては、昭和39年条例第27号「小出町工場誘致条例」がすでに存在し、条例制定以来40年間、小出町に進出する企業にたいし適用されてきております。優遇措置は固定資産税の3年間免除であります。40年間行われてきたこの工場誘致政策に、ここへきてなぜ例外を設けて破格の優遇策を行わなければならないのですか。
 企業の規模が大きくて、雇用者数が多いというだけの理由で、中小の他の企業と異なる税制の適用をうけ、特別の補助金が支給される、それは行政の不公平ということになるのではありませんか。 2千人の新規雇用というのはたしかに大きな魅力ではあります。しかし、北魚沼6か町村の範囲には、雇用保険適用の約1000の事業所に約8500人の人々が雇用されています。この地域の雇用を現実に支えているこれらの企業・事業所をさしおいて、新しく進出する特定の1企業だけに、他の企業の数倍の優遇措置を行うことは問題であります。2000人を雇用する企業を優遇するのであれば、8500人を雇用している他の企業も同じように優遇すべきであります。

 理由の第2。従来の、固定資産税3年間免除という優遇措置は、全国的に見ても常識的な範囲であると言えますが、今回打ち出されている減免措置はこの常識の範囲を逸脱しております。高橋町長みずから、「日本一の優遇措置」と述べているとおりであります。これが小出町の中だけのことにとどまるのであればよいのでありますが、企業の誘致合戦において小出町がこのような措置を打ち出すことは、必ず誘致をめざしている他の自治体に影響を及ぼし、さらには他の地域の他の業種の企業進出の条件にも影響を与えないわけにはゆかないでありましょう。中小企業だけは決められたとおりの税を払わなければならないが、大企業だけは長期にわたって税の減免をうける、こういう傾向に小出町が率先して拍車をかけるなどということは避けるべきではないでしょうか。

 第3点。すでに全国各地に起こっていることでありますが、特定の大企業の経済力に自治体がまるごと依存するような形になってしまった場合、ガス水道その他の公共サービスの面でもその企業だけに特別の奉仕をしなければならなくなる可能性があります。そしてもし万一企業の撤退、工場の閉鎖などの問題がおこると、自治体そのもの、地域そのものが存亡の危機にさらされるということが起こりえます。ましてIT産業は、盛衰の特に激しい産業であります。大企業の進出がよくないというのではありませんが、自治体としてあまり特別な肩入れをして結果としてその企業にすがって生きるような形になることだけは避けるべきであります。

 理由の第4点でありますが、一挙に2000人の新規雇用が生まれれば、この地域の雇用問題が一気に解決するかのように、数字のうえではみえますが、求めてもなかなか職が見つからない高齢者の雇用がどうなのか、障害者の雇用解決につながるのか、これらの点が不透明であります。IT産業ということになれば、労働力需要の主体はおそらく若年層でありましょう。若年労働力を一度に大量にということになれば、地域の従来からの企業にいる若年労働力が引き抜かれることになる可能性は大いにあります。地域の企業に根付きつつある若い労働力が、大量に特定大企業に吸引され、その大企業がもしも撤退することになって、労働者は遠くへ移転するか残って失業者になるか、というような事態になったとしたら、地域の将来をになう宝がまるごと失われるということにもなりかねないのであります。
 企業誘致は大いに結構でありますが、優遇措置は町の工場誘致条例の内容の範囲で行うべきであります。その線で誘致に努力すべきであります。特定のひとつの大企業にすがって繁栄をはかるよりも、小さくとも従来から地元に根付いている企業を育てる努力を重ね、その振興をはかることこそ、真の地域興しであり、真の雇用対策ではないでしょうか。

 以上で私の討論といたします。ご静聴ありがとうございました。