08年6月議会での一般質問         2008.7.7


 私は、農業問題、小出病院、学校耐震化、多重債務問題の以上4点について、一般質問を行います。

 まず、農業政策の基本的な点について、星野市長の見解を質したいと思うものであります。   

わが魚沼市を含むこの地域は、農業が栄えるか滅びるかによって、地域全体の運命が左右されるような地域であります。そして、その農業の盛衰は、国の農業政策に100%左右されているのが現実であります。国の農業政策のあり方について、他のどの地域よりも関心を持ち、どこよりも真剣に発言してゆくべき立場の魚沼市の市長として、確固たる立場に立ち、主張すべきは明確に主張していただきたいという願いから、質問するものであります。

昨年まで行われた、4ヘクタール以上、20ヘクタール以上というハードルを設けた例の「品目横断的経営安定対策」は、これまでの数多くの国の農業政策リストの中でも、最も評判の悪い政策のひとつでありました。多くの農家を対象から除外し、ごく一部の農家しか加入できない事業であれば、それも当然であります。この政策ははっきり言って、日本の農業の現実に合わない政策であり、特に、中山間地の農業には全く合わない政策であったと言わなければなりません。

今年になってこの事業は、市町村特認基準というものによって加入条件を1ヘクタールに引き下げ、また60才以上という年齢制限も撤廃した、「水田経営所得安定対策」に衣替えしておりますが、経営面積によって一定の線をひき、それ以上とそれ以下を差別するという基本的な考え方は不変であります。

ひるがえって考えてみますと、日本政府の農業政策は、昭和35年当時の農業基本法以来、約半世紀にわたって、一貫して大規模農業育成、小農、零細農切捨ての方向をとっております。われわれ日本共産党の立場は、伝統的な日本農業のあり方である家族経営を大切にしながら、基幹産業としての農業を守り育てていこうという立場であります。

市長にお聞きしますが、規模の大小によって農家を選別し、小さな農家を切り捨てるという国の農業政策をどう思っていますか。当然だと思いますか、不当だと思いますか。どうしてそう思うかの理由もつけてお答え願います。

次に、食糧自給率の問題であります。中国製ギョーザへの毒物混入事件などもあって、日本の食糧自給率の異常な低さが大きな関心を呼んでおります。もしも全世界的に深刻な食糧危機が起こった場合、先進国と言われる国のなかで、真っ先に飢える国は間違いなく日本であろうと言われております。国の存亡にかかわるという点で、これは国益上の重大問題であります。政府も、食糧自給率を向上させる必要がある、というようなことを言っております。しかし、現実に日本の食糧自給率は向上していません。日本政府が現実にとっている農業政策は、食糧自給率を向上させてゆく政策に全くなっていないのではなのでしょうか。市長はどう思っていますか。

次に具体的なことをおたずねしますが、今年の新しい基準による「認定農業者」への加入申請は6月末まで、と聞いておりますが、6月末現在の加入申請状況をご報告いただきたいと思います。

問題は、新しい加入基準によっても網にかからない、多くの零細農業者への対策をどうするかであります。市として、何らかの対策を考えているのであれば、明らかにしていただきたいと思います。

小出病院問題にうつります。

魚沼地域の医療再編が進められようとしておりますが、この行く手に大きな影を落としているのが、医師不足問題であることは、誰しも感じていることであります。

医師不足は、当然のことながら、自然現象として起こったことではありません。政府がとった政策の結果生じた社会現象であります。その政策とは、医師数の増加を抑えるため、大学医学部の入学定員を削減することであります。1982年にこの方針を閣議決定し、15年後の1997年、再度の閣議決定によって、この政策を一層推進することを確認しております。その結果、1970年ごろまでは人口比で、いわゆる先進国OECD諸国の平均くらいであった日本の医師数は、どんどん順位が下がり、2004年には、OECD30カ国中27位、人口10万人あたり30カ国平均が310人であるのに対して日本は200人というみじめな地位に落ち込むに至ったのであります。

近年、医師不足による医療の崩壊が全国至る所で問題になってきましたが、そういう状況になってさえ、厚労省など政府当局者は、「医師が偏在しているのが問題で、絶対数そのものは不足しているわけではない」と、つい最近まで言い張ってきました。

しかし、国民の願いに真っ向から反する政策を、そういつまでも続けられるものではありません。ついに政策転換の時がやってきました。先日618日の新聞各紙に大きく報道されたように、政府は現在の深刻な医師不足の現状を認め、医師数削減を求めた過去の閣議決定を見直す方針を明らかにしました。政府の政策は、医師数抑制から、医師増員へと大きく舵を切ることになったのであります。

さてこの大きな政策転換による影響を、地方のわれわれはどう受け止めるべきか、地域の医療にどう影響して来ると見るべきか、この点が私の問題提起であります。

市長はこれまで、小出病院の現在の機能を基本的に今後も維持することを目指すべきだという私どもの意見に対して、「どんなに立派な病院を作っても、医者がいなければ万歳だ、だから、基幹病院との機能分担によって小出病院が縮小されるのは止むを得ない」と言い続けてきました。しかし、その前提条件に変化が起ころうとしているのです。たしかに、言われているように、医師を増やす方向に舵が切られても、実際に医師が増え始めるのは7,8年先のことになるというのが現実であります。しかし、魚沼基幹病院が開院し、再編の一環として小出病院がその姿を変えるのも、早くて7年先なのであります。

医師不足の現実を不動の大前提として、その視点からだけ物事を見ていれば、基幹病院ができたあとでも、小出病院が魚沼市の中核病院として、基本的に現在の役割を果たし続けるなどということは、夢物語にしか思えないかも知れません。しかし、住民が望んでいるのはまさにそれなのです。医師不足が永遠に続くことを前提として、大事な大事な小出病院を、診療所に毛の生えたようなものに縮小してしまえば、やがて医師が充足する時代が来ても、失われた病院は戻ってこないのであります。これからますます高齢化が進みます。自家用車で移動するのが通例の人々にとっては、小出と大和の距離は大した距離ではありませんが、車を使わない高齢者にとっては、ちゃんとした総合病院が市内に存在するかしないかは、市内に住み続けられるかどうかにもかかわる重大事となってくるでありましょう。そういう観点から、市民保健医療センター構想は大幅に見直して、もっと頼りになる、しっかりした病院を魚沼市内に残す、という立場に市長は立っていただきたいのでありますが、いかがですか。

次に、このたび市が発足させた「魚沼市の地域医療を考える市民会議」についてであります。設置要項の第一条に「変化する地域医療の現状や課題を住民に伝え、広く議論を喚起するとともに、市の地域医療のあり方について検討するため」にこの組織を設置するのだと書いてあります。

私は、前から思っていることでありますが、小出病院問題をはじめとする地域医療の検討が、始めから、医療を提供する側を中心に進められ、医療を受ける住民の側の意見が表明される機会がほとんど保障されていないことは大きな問題であります。昨年3月に答申が出た「小出病院ワーキングチーム」、県と、医師会と魚沼市当局の3者が構成員で、住民は入っていません。たたき台の原案を作るところだから、案ができたら大いに住民の皆さんの意見を聞いて、ということだったはずなのに、そのようなことは全くなされないまま、一年以上の日時が過ぎました。そしてここへきて「市民会議」であります。構成員が20人、内訳は、医療関係者が8人、行政おやび関係団体代表7人、公募による住民代表3人、その他2人であります。このような構成の組織に「市民会議」などという名前をつけること自体がおかしなことだと思うのでありますが、本格的に住民の意見を聞くのはいつになるのですか。それとも、最後まで聞かないつもりなのですか。

先ほど第一条の設置目的を引用しましたが、「地域医療の現状や課題を住民に伝え、広く議論を喚起する」という考え方そのものがおかしいのではありませんか。そうではなくて、「住民の医療に関する要望や意見を聞き、地域医療の課題を考える」という立場が必要なのではありませんか。

思い返していただきたいのでありますが、4年前の平成16年12月の、第一回魚沼市議会定例会で、当選直後の星野市長は、就任のあいさつを行い、その中で、「市民の皆さんと力を合わせて「主役は市民である市政実現」のため努力してまいる所存であります」と述べられました。改めておたずねします。市長は、魚沼市の医療をどうするのかという、市民にとって最重要問題の方向を決めるにあたって、胸襟を開いて、腹をわって、本格的に市民の要望を聞く機会を持ち、その声を受け止めてこの問題に対処する構えがあるのかどうか、はっきりと表明していただきたいと思います。

次の問題は、学校耐震化に関してであります。学校耐震化の重要性、緊急性については、先日の中国四川省の例のように、校舎倒壊によって一挙に数百人の命が失われるというようなことが絶対にあってはならないという点と、災害の際の住民の避難所となるケースが非常に多いという二つの点が大事であります。私はこの問題を、平成17年の改選後最初の議会の一般質問で取り上げて、市立小中学校全校で耐震化を完了させるための取り組みの方針をおたずねしたわけでありますが、市長は、早期実施の必要を認めながらも、対象となる建物が多く、多額の費用を要すること、国の補助率が低いことなどから、市の財政負担が相当な額となるので、総合計画の中で計画的に実施したい、と答弁されました。その時からちょうど3年が過ぎました。この間にも、国の内外で地震災害が相次いでおります。

文部科学省が公立小中学校を対象に実施した耐震改修状況調査の結果を、去る620日に発表しましたが、それによると、新耐震基準が導入された1982年以降に建築された建物と、1981年以前に建てられ、耐震性があると診断されたか改修工事が済んだ建物の棟数は79,215棟、62.3%とのことであります。

新潟県の耐震化率は53.6%で、全国平均を10%近く下回っております。3年前に私が質問した時点では、全国の耐震化率が51.8%、新潟県が43.4%でありましたから、全国も新潟県もともに10%くらい向上してはおりますが、中越地震、中越沖地震と2度の大きな地震災害を経験した新潟県が、学校耐震化の取り組みで全国平均にやや遅れをとっているというのは、非常に問題だと思います。

さてわが魚沼市でありますが、県平均の53.6%に対して、30.1%、31市町村中、低いほうから5番目であります。なお、この数字は県が公表したものでありまして、先日市から出された資料によると29.33%となっておりますが、いずれにしろ下から5番目であります。耐震診断の実施率でも、すでに100%に達している市町村が18ある中で、魚沼市は87.3%で、90%に達していない8町村のうちのひとつとなっているのであります。

特に、震度6強以上の地震で倒壊する危険性が高く、耐震化に特に緊急を要することが分かっている建物が少なくとも全国に4,173棟あり、そのうち魚沼市が5棟であることも明らかにされております。ただ、診断がまだ行われていない建物はこのほかでありますから、診断と補強工事は、最優先の事業として取り組むことが求められていると考えます。当面どのように対応する方針であるかお示しいただきたい。

先の国会で、超党派の共同提案で学校耐震化促進法が成立して、今後3年間、耐震補強工事に対する国庫補助率が二分の一から三分の二に引き上げられたことでもあるので、この3年間のうちに魚沼市も小中学校の耐震化を完了させる決断をすべきだと思いますがいかがお考えですか。

最後の質問であります。国の「多重債務者対策本部」は、昨年4月、「多重債務問題改善プログラム」を決定し、地方自治体の役割として、「多重債務者への対応は自治体自らの責務、との意識をもって、自ら主体的に相談窓口における積極的な対応を行うことが望まれる」として、「住民からもっとも身近で住民との接触機会」の多い市町村の役割に期待しております。

多重債務問題の現状について、前述のプログラムはこう述べております。「現在、わが国においては、消費者金融の利用者は少なくとも約1400万人、そのうち多重債務状態に陥っている者は200万人超にのぼると言われている」

これを新潟県の人口にあてはめれば、サラ金利用者は約28万人、多重債務者は46000人となります。魚沼市の人口に単純にあてはめれば、サラ金利用者4600人、多重債務者660人ということになるわけであります。

多重債務の問題は、本人が意を決して他者に援助を求めない限り、家族にさえその実態は分かりません。今年になってから、私の身内にも、多重債務を苦にして自らの命を絶つという残念な出来事がありました。せめてひと言相談してくれたら、あるいは片言でもいいから苦しい実情を訴えてくれたら、何とかする方法はあったのに、と、残された者の無念の思いは尽きないのであります。

政府は、来年度から消費者庁を新設して、国民の生活上のニーズにこたえる行政の体勢を整備しようとしています。しかし、先に述べたように、行政の取り組みとしては、住民と直接接する市町村の役割が極めて重要であることは明白です。その意味で、魚沼市としても、相談窓口のいっそうの充実が求められていると思うのでありますが、多重債務問題がほかの問題と違うのは、窓口に相談に来れば、問題は半分以上解決したようなものであって、問題は、相談に来ないまま自殺を考えるような人をどう見つけ出して救援の手をさしのべるか、であります。

わが魚沼市においては、市民生活課の中に市民相談センターが置かれ、大切な役割を果たしていますが、今述べたように、多重債務に苦しむ人々はなかなか相談窓口には現れません。市税や公共料金の滞納状況なども把握しながら、悲劇が起こる前に多重債務に陥っている人の発見に努めることも重要な課題であり、これができるのが行政の大きなメリットであります。このような観点から、債務問題や消費生活の問題に特化して専任の消費生活相談員を置いた「消費生活センター」を設置することを検討すべきではないかと考えますが、いかがですか。

私の質問は以上であります。