2008年9月定例議会における一般質問

                             2008.9.25

 今回の議会は、星野市長の4年間の任期の最後の定例議会であります。新生魚沼市の最初の4年間を担当してきた星野市政はどうだったのか、その功罪を市民の前に明らかにすることが、市議会としての、ひとつの責任であると考えますから、日本共産党としての立場から、これまでの星野市政の評価について論じてみたいと思います。

 私ども日本共産党は、魚沼市議会におけるただ一つのはっきりとした野党であると自負しておりますから、星野市長が担当してきた市政の功罪はどうか、ということになれば、「功」よりも「罪」のほうがはるかに多いと考えております。しかしながら、合併による新しい市の発足と中越大地震が同時に重なるという、稀に見る状況のなかで星野市政がスタートし、戦場のような混乱のなかで、市民生活の再建と、新しい自治体としての統一的な行政運営の構築のために、懸命に努力された職員各位の苦難は並大抵ではなかったと思いますし、その先頭に立った星野市長のご労苦に対し、改めて敬意を表するものであります。

 このことを前提にしたうえで私が指摘したいのは、星野市長が、堀之内町長時代も含めてこれまで手がけてきた数々の施策のなかに、当初期待した成果を上げられないまま、事実上失敗に終ったものがいくつも見られることであります。その最たるものは、住民の反対の声や運動があったにもかかわらずそれを押し切って強行されたオートレース場外車券場であります。そしてまた、タイケン学園の誘致と、それへの公的施設の提供をはじめとする数々の便宜供与、それと関連した外国人からなる都市対抗野球魚沼市チームの結成と解散などであります。これら一連の事業は、行政として、将来の運営見通し、採算性、継続性、将来性などを慎重に検討したうえでのものとは考えにくいのであります。極めて安易な、裏づけのない将来見通しにもとづくものであったと言わなければなりません。採算性に問題のある事業としては、最近のケーブルテレビ事業もそのひとつであります。当初予定されていた農村部への敷設が完了しても、予定した加入率に達しないため採算ラインに届かず、今年、都市計画区域にまで供給地域を拡大してさえも、採算がとれるところまではとても行きそうもないというのが実情であります。多額の予算をつぎこみながら、このケーブルテレビ事業が魚沼市にとって将来重い荷物となる可能性は濃厚であります。これらのことを考えるとき、星野市長、当時にあっては星野町長の責任は重大であります。市長は、これら一連の施策の失敗について、どのような反省をしているのですか。

巷には、星野市長はえこひいきが多い、と言う批判があります。地域ごとの予算のつけ方についても、批判や不満の声があります。事業を計画するにあたって、一部の人々の利害や意見だけを重視した結果が、失敗につながったという反省はないのですか。市長の率直な見解表明を求めるものであります。

 次におたずねしたいのは、いま星野市長が推進しようとしているバイオマス利活用施設、いわゆる有機センターや、水の郷工業団地などの大型事業でありますが、果たして事業として成功するのかどうか、非常に不安要因が多いのであります。あれほど大規模な工業団地に、それほど大きな企業が本当に進出するのかどうか、有機センターの原料確保や製品の販路は大丈夫なのか、採算見通しは大丈夫なのか、畜糞の処理を、業者に代わって市が責任を負ってやる必要がそもそもあるのか、などの点であります。市長は、これらの重要事業について、過去の失敗した事業の轍を踏まない自信があるのですか。多くの市民が心配しておりますので、あえてお聞きします。お答えください。

 星野市長の政治姿勢という点で、もうひとつ問題にしたいのは、市民から選ばれた代表としての立場での、国や県に対する姿勢であります。たとえば、医療の問題で言えば、県はいま、魚沼地域の医療を直接担当していた立場から手を引こうとしております。具体的に言えば、現在4つの県立病院を経営している県が、そのいずれからも撤退し、新たに設置しようとしている基幹病院も、作ることにタッチはするが、経営はしない、運営に手は出さない、という立場であります。県内でも中山間地が多く、人口密度も低くて、民間医療機関が育ちにくく、それだけ医療における公的機関の役割が必然的に大きい魚沼の地から、事もあろうに全面撤退をするという、この県のやり方に、地域住民を代表する立場の星野市長が、これに異を唱え、批判し、または抗議したという話を私は聞きません。なぜ黙っているのですか。なぜもっとはっきりと地域の要望をぶつけないのですか。多くの住民は、星野市長は国や県のやることには何でも文句を言わずに従う人なのではないか、と不安を感じています。どう答えられますか。 

 

 二番目の問題にうつります。日本経済は、実感のない景気上昇が、これまで例のないほど長期間にわたって続いた末に、とうとう最近、景気後退期にはいったと言われております。このことは、8月に公表された政府の経済報告が、はっきりとではありませんが、事実上認めていることであります。

 2002年のはじめごろから始まったと言われるこれまでの景気上昇は、何と6年余り、過去にあった神武景気、岩戸景気、いざなぎ景気、バブル景気のどれをも上回る、歴史上最も長期にわたる、しかし一般国民にとっては、どこに好景気があるのだ、と言いたくなるような、全く実感のない景気上昇でありました。

 地方の経済活動は停滞し、事業所の仕事や売り上げは減り、勤労者の賃金は下がり、年金の切り下げや増税、医療費負担増などで、国民の家計は苦しくなる一方でありましたが、それをよそに、一部の輸出関連の大企業とか、ゼロ金利に助けられた大銀行などは、バブル期をも上回るまさに史上空前の利益を上げ続け、そのために、ならして平均すると、日本経済は、わずかながら伸び続けているという統計数字になっていたわけであります。しかし、一般国民のふところが温かくなって、消費支出が伸び、それによって商工業が活気づくという形にならない限り、本当の好景気とは言えないことは当然であります。

 このように見てくると、いま、地域の経済が落ち込んでいる深刻な停滞あるいは後退状況を根本的に克服する道は、住民のふところをあたため、消費支出をうながすことであることは明白ではないでしょうか。そしてその中心は、すべての雇用労働者の賃金水準の向上を図ることではないでしょうか。

 このことについて星野市長はどういう認識を持っておられるか、見解を求めるものであります。

 次に、ではどのような方法で賃金水準を上げるか、という問題であります。「地方の企業はどこも経営が苦しいから、賃金を上げるなどという余地はまったくないよ」と言ってしまえばそれまでであります。これまで、地方の多くの民間企業で働く労働者の賃金は、まさにその理屈で低く低く抑えられてきました。この状況を打開するには、個々の企業、個々の経営者の努力に頼っていてはダメであります。もしも自分の会社だけ賃金を上げたとすれば、生産コストの上昇で競争に負け、企業の存続が危なくなってしまいます。商店の場合であれば、賃金の上昇は商品の価格に反映し、販売競争に負けることにつながります。従って、この問題を解決するカギは、個々の企業努力ではなく、公的機関、地方にあっては県や市町村のはたす役割にあるのであります。

 すでに59カ国が批准しているILO第94号条約は、「公契約における労働条項に関する条約」と呼ばれます。この条約の精神は、「住民の税金を支出する公共事業を受注して利益を得ている企業は、労働者に人間らしい労働条件を保障すべきであり、発注者である公的機関は、それを確保する責任を負っている」という考え方であり、住民の税金を使ってワーキングプアを作りだしてはならない、という立場であります。具体的には、公共事業の契約の際、受注する事業者に対し、従業員に対する一定の労働条件の保障を義務付ける、というものであります。

 先に述べたように、個々の業者の個別の努力では極めて困難な事柄が、地域内の公共事業を受注するすべての業者に義務付けられることになれば、これは実現可能であります。いま全国各地で、「すべての労働者に時給千円以上を」という運動が行われておりますが、魚沼市がこういう内容の「公契約条例」を制定して実施すれば、この地域の賃金水準の向上、ひいては地域経済の活性化に大きなインパクトとなることは間違いありません。魚沼市として、これを制定することを検討してはいかがですか。所見を伺います。