2010年6月定例議会における一般質問

                             2010.6.17

 

 平成22年第二回定例議会にあたりまして、市政の重要問題について一般質問を行います。

  最初に取り上げたいのは、市庁舎の問題であります。市の行政の拠点である市役所本庁舎をどこに定めるかという問題は、これからの魚沼市がどこを中核として発展をはかるかという、云わば新しい自治体づくりまちづくりの中心問題であります。単に財政上の観点からのみ処理すべき問題ではありません。

然るに、昨年度末に市が発表した「庁舎再編整備基本構想(案)」は、以上のような基本的立場に立って立案されたものとは思えません。庁舎の位置を定めるにあたって、市長はどのような基本的な考え方に立っているのか、その点をまず伺いたいと思います。

 次に、大平市長は、選挙にあたって「新庁舎はつくらない」ということを中心的な公約としてかかげて当選されました。従って、市役所の庁舎をどうするか、という際に、市長がこの公約の立場を守るべきは当然であります。私も新庁舎はつくらないという方針に賛成でありますが、繰り返し申し上げているように、旧庁舎のどれかに一本化するということを急ぐべきでないと思います。

 旧六町村の役場庁舎は、先に述べた市役所本庁舎としての役割とか位置づけに照らして考えると、いずれにも難点があって、私は賛成できません。一部に、地理的な中心だとか、人口重心を基準に考えようという議論があるようでありますが、地図の上での中心点と言うのは、住んでいる人間の存在を無視した議論でありますから、これは問題外であります。

人口重心の地点がよいという議論でありますが、これは、初歩的な理科の「てこの原理」にもとづく純粋な科学上の問題であって、社会的、経済的、政治的な中心地とは意味が違います。どこに市の中心を定めるべきかは、充分に時間をかけて市民の意見を聞き、議論もたたかわせ、慎重な検討を加えたうえで決定すべきであります。提案からわずか数カ月で最終決定に持ち込むなどということは、この問題の重みから考えても、すべきことではありません。

市長としてとるべき道は、現在の分庁舎方式を当分の間基本的には維持しつつ、将来の市庁舎のあり方については、その位置も含め、時間をかけて市民とともに検討をかさね、大多数の市民の納得と合意を得るようにすることが望ましいと考えるものでありますが、市長の見解をお尋ねいたします。

 

 次は病院問題であります。これから実施に移されようとしている魚沼地域の医療再編構想は、基幹病院と周辺病院、いわゆるサテライト病院との「機能分担とネットワーク化」ということを基本理念としております。この考え方は、最初に誰が言い出したことかは私は不勉強のため存じませんけれども、医療を受ける住民の立場からではなく、医療を提供する側からの発想によって生まれたものであることは間違いありません。「機能分担とネットワーク化」という理念によって最初に実行に移されたのが、ご承知のように、山形県南部の南陽市、長井市、川西町、飯豊町の2市2町を範囲として設立された置賜総合病院と、それまで各市町に存在した公立病院のサテライト化でありました。これが実施されたのは平成12年の11月でありますから、今年で10年となります。この10年の間に、サテライトとされた病院が実際どうなったか、小出病院と似通った病院であった長井市立長井病院の例で考えてみます。平成12年11月以前の長井市立総合病院は、一般病床382、精神科病床81、伝染病床20、合計483床、17診療科を持つ病院でありました。

 基幹病院である公立置賜総合病院が設立されたことに伴い、長井病院は9つの診療科、110床の病院として再スタートいたしました。今から4年前、平成18年の年であったと思いますが、第二期の魚沼市議会に設置された「小出病院対策調査特別委員会」で視察に行った時には、開院当初8名いた常勤医師は3名に減り、診療科の数はかろうじて維持しているものの、ほとんどの科が常勤でない出張の医師による週一回か二回の診療という状況で、入院病床の充足率は比較的高い水準で維持しているものの、外来患者数の減少が目立っている状況でありました。ごく最近の状況を私が問い合わせてみましたが、小児科と脳神経外科は休診、外来患者の減少はさらに続き、病院の収支は悪化の一途をたどっているということであります。車で移動できる人々はほとんどが最初から基幹病院に行き、サテライトの長井病院に通うのは車に乗れない高齢者ばかり、というのが実情であるということであります。

 これは何を意味するか。医療を提供する側がいくら「役割分担」「ネットワーク化」を叫んでも、住民は、いかなる病状にも対応できる設備の整った病院に押しかけ、周辺の医療機関に向かうのは、その動きから取り残された、交通手段を持たない高齢者だけになってしまう、ということであります。周辺病院がだんだんさびれて、診療機能が低下してくれば、そこにしか行けない高齢者の受けられる医療はどんどん低下してしまう、ということを意味します。小出病院がそうならないためにはどうすればいいのか、今が大事な時であります。明確な意思と見通しをもって、対処していただかなければなりません。市長の所信を伺います。

 次に具体的なことをおたずねします。新小出病院が医療機関として存続するためには、住民にとって頼れる病院であること、少なくとも診療所とはちがって、入院が可能で手術が受けられ、お産ができる病院でなければならないと考えますが、これについて見解をお示しいただきたい。

最後に、地域主権をめぐる問題について質問いたします。民主党政権が「地域主権改革」なるものに取り組んでおります。

昨日閉会した今国会に政府が提出していた関連の三法案、すなわち、児童福祉法など41の法律をまとめて改正する地域主権改革一括法案、国と地方の協議の場を設ける法案、そして地方自治法改正案の三つでありますが、支持率の高いうちに一日でも早く選挙をしたいという党利党略から、いずれも成立は見送られ、継続審議とされたようであります。

この「地域主権」は、民主党政権が一丁目一番地の政策として推進しようとしている目玉政策でありまして、ひもつき補助金を廃止して、一括交付金に切り替えて地方の自由度をふやす、などの財政政策が含まれております。

 地方の自由にさせる、という言葉を聞くと、平成11年に制定された地方分権一括法と、それに続く、小泉政権による三位一体改革を思い出さないわけにはいきません。中央集権的に国に集中していた各種の権限を、大幅に地方に移譲するという、けっこうずくめのうたい文句とはうらはらに、地方交付税の5.1兆円削減、地方への補助金4.7兆円カット、それに対して地方への税源移譲はたったの3兆円、差し引きして7兆円近くの地方への財政支出削減が行われたのであります。わが魚沼市を含め、合併したばかりの全国各地の新生自治体は、合併以前から思い描いていたバラ色の将来設計をめちゃめちゃにされ、新しい自治体としてのスタート直後から、ほとんど例外なく、深刻な財政難に直面することになったのであります。この苦い過去の経験をふりかえると、一括交付金という制度は、地方が自由に使える点ではありがたいけれども、金額そのものは以前より減らされてしまう、という心配はないのでしょうか。

はたして、この「地域主権改革」なるものが、地方の住民にとってプラスになることなのかマイナスになることなのか。慎重な対応が求められる問題であると考えますが、市長はどのようにお考えですか。

この「地域主権」の考え方は、「地方分権」の考え方をさらに進めて、住民生活にかかわる問題については、国よりも地域に、決定権や権限を認めてゆこうとするものであると考えられます。だとすると、その決定権や権限を任せるに足る、力量のある地域組織が必要である、ということになり、このことは道州制の導入へと直結してゆく可能性があると私は見ております。

これは私の単なる推測ではありません。今年の520日付の新潟日報にこういう記事がのっております。見出しは二段抜きで、「道州制推進へ 基本法に意欲 総務相、来年提出を目指す」これが見出しで、中の記事は「原口一博総務相は19日、日本経団連の御手洗富士夫会長との会談で、経済界から導入要望が出ている道州制について、「来年の国会での推進基本法案提出を目指して議論を加速させる考えを表明した。道州制については、経団連が今年4月にまとめた成長戦略にも基本法制定を明記しているが、民主党は昨年の衆院選時の政策集で、「将来的な道州の導入も検討」「地域の自主的判断を尊重する」との表現にとどめていた。」

こういう記事であります。

要するに、これまで道州制に消極的な方針であった民主党が、財界の要望にこたえて積極姿勢に転じはじめた、ということであります。道州制について市長はどのように考えておられますか。ご所見を伺います。