1月17日朝のできごと

 不思議な体験をしました。17日金曜日の朝5時ごろ、私は毎週の仕事として、赤旗日曜版の配達をしていました。車から降りて、ある家の郵便受けのところまで10メートルばかりを歩いているとき、突然、ツルリスッテンと転倒しました。気温はマイナス4℃くらい。歩いていたところには雪はありませんでしたが、出していた水が凍ったのでしょう。まったく警戒していない、無防備の状態で突然転んだので、頭が地面にぶつかる「ガツン!」という音がしました。起き上がって新聞をその家のポストに入れたところまでは覚えているのですが、そのあと車のところまで戻ったのが思い出せません。
 気がついたら車の中にいました。不思議な体験というのは、そのあとのことです。車の前方30メートルくらいのところに飲み屋の看板が見えました。私も行ったことのある店で、見覚えがありました。ところが、その飲み屋がどこにある店なのかがどうしても思い出せないのです。だから、自分が今いる場所が、いくら考えても見当がつかないのです。車を発進させようかと思いましたが、どっちの方角へ向かえばいいのかがさっぱり分かりません。途方にくれてしばらく(おそらく15分か20分くらい)ぼんやりしていました。そうしたら、だんだん頭がはっきりしてきて、自分の居場所も分かり、そのあと配達を1時間ほど続けて無事に家へ帰りました。
 微かではあるけれども鈍い頭痛がするので、念のため小出病院の脳外科を受診しました。頭蓋骨と頚椎のレントゲン、それに脳のCT写真をとってもらって、一応「異常なし」の判定がくだりましたが、2日たったいまでも、頭がすこし痛いはの変わりません。
 痴呆になった老人が、散歩にでかけて自分の位置を見失い、家に帰れなくなるという話はよく聞いたことがありますが、私のあのときの状態はまさにそれだったなあと思います。とても不安なものです。もしそんなとき、やみくもに歩き出そうとして、「そっちじゃないでしょ!」などとわきからどやされれば、それこそパニックになってしまうなあ、と思いました。
 私のささやかな体験記でした。おそまつ。           (1月19日記)